駅伝経営ニュースレター第9号:日本企業での外国人留学生/高度外国人材の採用や活用に関する調査

前回は営業や企画、人事総務、機械設計、ITエンジニア、システムエンジニア、生産技術、品質保証などのホワイトカラー職に外国人材が就労するための在留資格である「技術・人文・国際」についてのお話と、そうしたホワイトカラー職に就労する予備軍の外国人留学生の動向についてご紹介しました。

今回は彼ら、彼女らを採用する日本企業の意識調査結果についてご紹介します。

今回ご紹介するのは、株式会社キャリタス「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」結果レポート (2025年12月調査)です。 調査概要は以下の通りで、調査対象には中小企業も多く含まれています。

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ソース: 株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

1.調査対象企業の約3分の1が留学生/高度外国人材採用の予定ありと回答

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ソース: 株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

上図の通り、2025年度では外国人留学生の採用実績(予定含む)のある企業の割合が全体の5分の1程度であったものが、今年度は32.8%と約3分の1近くにまで増えています。特に製造業では35.9%と高い割合を示しています。

2.一社当たり1人~3人の採用が多く、学部卒採用の割合が最多

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ソース: 株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

今回の調査対象企業では外国人留学生の新卒採用者数は1名のみが56.3%、次いで2名乃至3名が34.4%という結果でした。 また、採用された留学生の中では文系の学部卒が最も多く45.3%、次いで理系の学部卒が37.5%でした。 一方、文系の大学院卒が23.4%、理系の院卒が37.5%と日本人の院卒の割合(12.7%)よりはるかに高いところが外国人材の専門性の高さとしての特徴と言えると思います。

筆者もビジネス修士号(MBA)を日本の大学で習得している留学生の求職者の就労支援を行った経験があります。

3.様々な職種に就く外国人留学生

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ソース: 株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

上表は職種全12項目中の上位7項目を製造業と非製造業に分けてまとめてあります。研究開発や設計、IT/ソフトウェアなど理工系の職種が目立つものの、事務管理や営業など含めほぼすべての職種に配属されているように見えます。

前述の通り、外国人留学生は修士以上の専門性を有する割合が高いことから、配属先もそういった専門性を生かせるところが多いのではと推察できます。

4.外国人留学生を採用した理由(外国人材である必要性)

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ソース: 株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

次に、そもそもなぜ日本人ではなく外国人材を採用したのかとの問いに対する回答が上表です。

一番多かった回答は「(日本人でも外国人でもとにかく)優秀な人材を確保するため」でした。

理系の外国人材で次に多かった理由は「日本国内の新卒採用だけでは充足できない数的補完のため」でした。 一方、外国人材であることを意識した「海外の取引先に関する業務を行うため」「日本人社員への影響も含めた社内活性化の為」「外国人としての感性・国際感覚などの強みを発揮してもらうため」「語学力が必要な業務を行うため」「ダイバーシティ強化のため」といった理由も挙げられていました。

5. 3年後の離職率について

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株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

次に採用後の定着についての質問で、外国人社員の離職率が日本人新卒社員と比較してどうかという問いに対する回答が上表です。「日本人新卒社員と変わらない」「日本人新卒社員と比べて低い」を合わせると8割前後で推移してきています。

因みに日本人新卒社員の3年後離職率は、厚生労働省によれば大学卒で33.8%、高校卒で37.9%だそうです。

6.外国人留学生採用による自社への好影響

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株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

次に、外国人留学生採用による自社への好影響について尋ねた結果が上表です。

トップ3が「異文化・多様性への理解の向上」「日本人社員への刺激・社内活性化」「グローバル化推進への理解、意識醸成」でした。

日本人社員とは異なる生い立ち、経験、文化、習慣を持つ外国人留学生の視点、視野、視座といったものが日本人社員に刺激を与え、視野を広げている様子が伝わってきます。

7.外国人社員活用の課題

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株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ

先に外国人留学生採用による自社への好影響を観ましたが、一方で課題もあります。今回の調査で最も多かった課題は「社内での日本語コミュニケーション能力の不足」で、3番目に多い「取引先との日本語コミュニケーション能力の不足」と合わせると日本語能力に関する問題が一番意識されている様です。

2番目に多かった「文化や価値観、考え方の違いによるトラブルがある」は、異文化理解不足に伴うものと推察され、これは外国人留学生による日本の文化、価値観、考え方の理解不足はもとより、日本人社員による外国人留学生の母国の文化、価値観、考え方の理解不足にも原因がありそうです。

8.「ブリッジ人材」の必要性

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ソース:Bingのオンライン画像

筆者の会社でご支援する中小企業において、外国人材受入れの成功例の中で共通して見られますのがブリッジ人材の存在です。

どの会社でも初めて外国人材を社員として採用する場合には前述のコミュニケーション上の問題や異文化、価値観の相違、考え方の違いに伴う誤解や軋轢、そしてそれらを乗り越えようとする努力、労力、手間がかかります。 この手間を惜しめば、「だから外国人は・・」といったステレオタイプも生まれやすくなります。 初めての外国人材との相互理解の橋渡しをうまくおこなうことで、この外国人材が第二第三の外国人材の採用において善き「文化通訳者」として後輩を指導してくれます。

手間をかけてでもこのブリッジ外国人材を如何に育てていくかが会社にとっての異文化理解や異文化コミュニケーションのための目に見えないインフラになっていくものと信じます。

以上

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