駅伝経営ニュースレター第1号

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photo by brainy_stilt443

2024年生まれは69万人。20年後、中小企業は誰に襷を渡すのか?

日本の中小企業の多くが創業後2代目、3代目、・・といったファミリービジ ネスとなっています。創業者の創業の精神や理念、行動規範といった“襷”を2代目、3代目が受け継いで走り続けています。

日本では創業二百年を超える企業が3千社以上と世界一で二位のドイツの800社や3位のオランダの300社を大きく上回っているそうです。

ところがこの持続力を誇る日本の中小企業に「襷(たすき)を渡す相手がいない」危機が迫っています。社長の承継問題だけでなく、社業を引き継ぐ社員の採用難の問題です。

襷経営は日本のファミリービジネスの継続性の象徴

一本の襷(たすき)を、前の走者から次の走者へとつなぐ。

自分が苦しくても、後ろで待つ仲間のために一歩前へ進む。

個人の力だけではなく、チーム全体で走り抜く。この「持続力」と「連帯感」は、日本企業の強みそのものでした。

世界最多の200年以上続く企業数。代替わりを重ねながら技術と信用を積み上げてきた中小企業群。まさに日本型経営は「駅伝型経営」だったと言えます。

しかし今、日本中のコースで異変が起きています。襷を渡す相手がいない。少子高齢化と人口減少という現実の前で、多くの中小企業が「次の走者不足」に直面しているのです。

人口減少がもたらす継続性への危機

読売新聞の2026年5月29日付朝刊記事によれば、

総務省は29日午前、2025年国勢調査の速報値を発表した。昨年10月1日時点の日本の総人口は1億2304万9524人(男性5977万8826人、女性6327万698人)で、20年の前回調査と比べて309万6575人(2・5%)減った。減少数、減少率とも過去最大となり、人口減少が加速している。15年と20年の調査では、人口減少数はともに100万人弱だった。同省は「少子高齢化が加速し、死亡数が出生数を上回る『自然減』が一層拡大している」と分析している。前回調査では新型コロナ禍で一時的に帰国した海外在住の日本人も多く、その反動も要因の一つとみられる。

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読売新聞2026年5月29日付朝刊記事
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厚生労働省の定期調査「人口動態調査」の調査結果「人口動態統計」の公開値より

出生数と新卒就労者数の関係

2026年3月卒の高卒や大卒として今年労働市場に参入した若者の数を出生数から見ていきましょう。

以下は厚生労働省「人口動態統計」の年次別出生数です。

生年:年間出生数

 

  • 2004年:約111.1万人
  • 2005年:約106.3万人
  • 2006年:約109.3万人
  • 2007年:約109.0万人
  • 2008年:約109.1万人

 

これまでの経験値から、18歳前後で労働市場入りする割合は約15%、22歳前後までの累計で70~80%ということで、今年2026年の新卒就職者は、概算で80万〜90万人程度と見られます。

その内訳のイメージは以下の通りです。

区分:今年の労働市場参入者数の目安

 

  • 高卒就職者:約12.5万人
  • 大卒就職者:約45万人前後
  • 短大・高専・専門学校卒:約20万人前後
  • 大学院修了者など:約7万人前後

 

合計:約80万〜90万人

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新規就職者数推移(短大、院卒を除く)

困難さを増す中小企業の新卒採用この母数のうち、約3割が大企業に就職し、残り7割(56万人~63万人)が中小企業ということになっています。

毎年新卒採用を行う企業は限られます。各種採用調査や就職サイト登録企業数などから逆算すると、

項目:推計

 

  • 中小企業総数約:約336万社
  • 毎年何らかの採用活動を行う企業:約40〜60万社
  • 新卒採用を実施する企業:約15〜25万社
  • 実際に新卒を採用できた企業:約10〜20万社程度

 

とみるのが現実的です。

また、東京商工会議所調査では、

 

  • 採用計画充足率50%未満の企業が41.5%
  • 採用活動を年明け以降も継続する企業が64.5%

 

となっており、既に現時点で中小企業の新卒採用難はかなり深刻です。

一方、将来を見たときにはその採用難は今と比較にはならないほど困難さを増します。

というのも今年の新卒者の出生の年の全出生数は100万人を超えていましたが、2024年の出生数は69万人にまで減っているからです。

2004年の出生数111万人と比べると62%にしかならず、今から16年後の高卒新卒乃至20年後の大卒新卒労働市場における新卒の採用難が容易に想像できます。

経営者が今考えるべきこと

これまで中途採用や女性、シニア、体の不自由な方々の採用で人手不足を解消してきた日本の中小企業の経営者の方々も、日本での出生数が20年前の60%に縮み、さらに減少し続けていることの採用難に与える影響をどこまで想定できているでしょうか?

経営者が今考えるべきこととして、

 

  • 採用方法
  • 定着率
  • DX
  • AI活用
  • 多様な人材活用
  • 女性
  • シニア
  • 外国人材

 

などを含む人材ポートフォリオがあるかと思います。

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引用元:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)」

次回のブログでは社員の定着率(離職率)や都道府県別の人口動態の様子並びに黒字倒産の状況をお知らせしながら、中小企業の「継続力」に関する問題意識を皆さんと高めていきたいと思います。