多様な視点を引き出すファシリテーション 〜Facilitation Lab Tokyoで実践する「6つの帽子思考法」〜

先週金曜日、Facilitation Lab Tokyoは、Nisshin Global Corporationがグローバルなファシリテーションコミュニティである Voltage Control と協働し、対面形式のミートアップを開催しました。

 

Facilitation Lab Tokyoは、ファシリテーター、デザイナー、コンサルタント、ビジネスパーソンなど、「より良い思考・協働・意思決定」に関心を持つ人々が集うコミュニティとして、着実に広がりを見せています。

 

セッション設計の工夫

 

セッション全体のエネルギーを保ち、アクティビティ間の切り替えをスムーズにするため、今回はシンプルなファシリテーション手法を試みました。


各アクティビティごとに、ボランティアファシリテーターの名前を書いた紙を「くじ引き形式」で選出する方法です。

 

この工夫により、活動間の待ち時間が短縮されただけでなく、役割が固定化されないことで参加者の心理的負担も軽減され、全体として軽やかで参加しやすい雰囲気が生まれました。

 

オープニング:Pick Your Nic!

 

セッションの冒頭では、参加者が「今の自分の状態を表しているニコラス・ケイジの表情」を選ぶという、ユーモアのあるアイスブレイクを実施しました。

 

一見すると遊び心のあるアクティビティですが、参加者が心理的・感情的にその場へ「到着」することを助け、場の緊張を和らげ、オープンな空気をつくる重要な役割を果たしました。この雰囲気は、その後のセッション全体にも良い影響を与えていました。

 

メインアクティビティ:6つの帽子思考法の実践

 

メインアクティビティでは、「6つの帽子思考法」を実際に体験することに焦点を当てました。
12名の参加者は4つの小グループに分かれ、それぞれにボランティアファシリテーターが付きました。

各グループは、以下のいずれかのロールプレイ型シナリオに取り組みました。

  • シナリオA: 疲れない、より良い会議とは

  • シナリオB: 「出社したくなる」オフィスの一日

  • シナリオC: 管理職に負担をかけすぎない日本型オンボーディング

  • シナリオD: チームの一体感を高めるマスコットや儀式

会場に投影されたGoogleタイマーを使い、6つの帽子のうち5つをローテーション形式で実施(1つの帽子につき5分、合計25分)。

 

この明確な時間構造により、議論のテンポが保たれ、参加者は無意識の思考パターンに流されることなく、意図的に視点を切り替えることができました。

 

参加者から得られた主な気づき

 

各グループを通して、共通する学びがいくつも浮かび上がりました。

● レッドハット(感情)から始める方が自然な場合もある
多くの対話は、感情や直感から始まります。最初に感情を言語化することで、その後の分析や評価に入りやすくなるケースがありました。

● 帽子の境界は厳密でなくてよい
構造は重要ですが、帽子同士が多少重なることは避けられません。熟練したファシリテーションとは、厳格にルールを守らせることよりも、焦点をやさしく導くことだと再認識されました。

● ロールプレイは心理的安全性を高める
「この帽子をかぶっているから言える」という前提が、普段は口にしづらい意見や懸念を共有しやすくし、参加者に解放感をもたらしました。

● 沈黙の思考時間が議論を深める
各帽子の冒頭に短い個人思考の時間を設けることで、意見が整理され、議論の質が向上しました。

● 会場レイアウトの影響
円形に座る、帽子を中央に置く、トーキングオブジェクトとして使うなど、物理的な配置が「場の共有感」を高めることが確認されました。

● 職場での具体的活用イメージ
チーム内の意見の可視化、新規プロジェクト開始前の多角的検討など、実務への応用可能性が明確に感じられました。

● ブルーハットとリーダーシップ
プロセスを司るブルーハットをシニアメンバーが担うことで、議論の安心感と進行の安定につながる可能性が示されました。

 

言語とインクルージョンへの配慮

 

参加者には日本語話者・英語話者が混在していたため、必要に応じて要点の補足や簡単な翻訳を行いました。
このバイリンガル対応により、言語背景に関わらず全員が議論に参加できる環境が整えられました。これは、Nisshin Global Corporationが大切にしている異文化理解と包括的なコミュニケーションの姿勢とも重なります。

 

クロージング:One Word Checkout

 

最後は、「今回の体験を一言で表す」というシンプルな振り返りでセッションを締めくくりました。

ファシリテーション経験の浅い参加者からは「安心感」「つながり」「支え」といった言葉が多く聞かれ、心理的安全性とコミュニティの価値が強く感じられていることがうかがえました。


一方、経験豊富なファシリテーターからは「癒し」「リラックス」「満たされた」といった言葉が挙がり、成果を求められる立場から一度離れ、純粋に参加できる場の新鮮さが語られました。

 

この振り返りは、Facilitation Lab Tokyoが「学びの場」であると同時に、「ただそこにいられる場」でもあることを改めて印象づけるものとなりました。

 

今後に向けて

 

 

東京近郊にお住まいの方、または東京を訪れる予定があり、
ファシリテーションや協働、より良い働き方に関心をお持ちの方は、ぜひ次回の Facilitation Lab Tokyo にご参加ください。

 

今後の開催情報については、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

 

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