今月の米国情報を送らせて頂きます。
タイトルは「米国におけるデータガバナンスを巡る政策動向と産業界への影響」です。
インターネットやGPSといったアメリカがしつらえたネットワークインフラを世界中が利用して「個人データ」が生じるようになりました。
ネットワークにつながる人が増えるほどネットワーク全体の便益が高まるというネットワーク効果を本来は世界の皆が享受するはずでしたが、2013年のスノーデン事件でアメリカがテロ対策の名のもとに世界中のデータを傍受していたことが判明したため、欧州などがネットワーク上のデータの流れに国境をつくって制限するデータローカライゼーションとかデータ主権などといった言葉が生まれ、その際たるものがEUのGDPRという個人情報保護法となったわけです。
米国としてはネットワーク上のデータの流れの制限は中国やロシア等とは当然設けますが、EUや日本などとは自由にしてネットワーク効果やデータ規模の利益を出し第二第三のGAFAを育てていきたいところです。
その点で米国が越境してデータをやり取りしようとすることへのEU等の懸念に配慮しつつも信頼関係のある国々の間ではできるだけ自由にデータをやりとりしようという提案を故安倍首相が2019年のダボス会議でDFFTというコンセプトで提唱し、その後の日本政府が米政府とともに世界にプロモートしています。