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社員とのウィンーウィンの関係づくりについて#16

#16 社員とのウィンーウィンの関係づくり(リンクトイン創業者リード・ホフマン著『ALLIANCE』(ダイアモンド社)より

 

前回、変革型コミットメント期間を導入するための4つの具体的なステップのうちの最初の二つ、即ち、「コミットメント期間の目標設定」と「上司と社員の双方が定期的にフィードバックし合う仕組みを作る」ステップについてお話ししました。

今回は残りの二つについて紹介します。

まず、「コミットメント期間の終了前に次の期間の設計に着手する」というステップです。

これはコミットメント期間が終了する相当前の時点から、そのコミットメント期間終了後に社員本人がどうしたいのかを知るべく話し合う時間を設けるということです。

コミットメント期間満了間近になって社員が転職する予定であると言われ、その後右往左往する不確実性を避けるために、そのまま会社に留まってほしい社員であればあるほど できるだけ前広にインタビューの機会を持ち、次のチャレンジの目標と期間並びに処遇の提示をすることで互いの不確実性を排除し、その社員(とその上司)に次の任務が楽しみだと思ってもらうこともできます。

最後のステップは「コミットメント期間の途中での柔軟な変化対応の必要性」です。

コミットメント期間は契約ではありません。会社と社員の大切な関係を尊重し、守るための自発的な合意です。会社側は、コミットメント期間では互いに道義的に義務を負うからと言って、社員に負担を強いるようなポストを押し付けてはならないとホフマンは語ります。

経営陣の判断ミスのせいで適切なポストを与えられなかったのならなおさらであると主張します。

コミットメント期間の目的は、誠実な対話で相互信頼を重ね、社員が自発的に会社に留まる期間をなるべく長くする点にあります。

社員が望まない役割に縛り付けることも、自社に合わない社員が留まって会社を機能停止させることも、コミットメント期間の目的ではないということを自覚しておく必要があるとホフマンは語ります。