ニュースレター国内版 2020年・秋(249号)

日賑グローバル・ニュースレター国内版(第249号)

 

1. 大統領選前後に投稿制限を加えるツイッター社

2. トランプ大統領の家族以外の濃厚接触者から見えてくる大統領の真の側近

3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の最新レポートを弊社にてダイジェスト版化 

4.  「寺島実郎の世界を知る力」1018日(日)スタート

5. 抗菌マスクホルダー『Masket(マスケット)』ご紹介のこと

 

 

 

1.大統領選前後に投稿制限を加えるツイッター社

 

前回2016年の米国大統領選ではすべての大手のソーシャルメディア上を偽情報や嘘のニュースレポート、そしてロシアの介入情報がチェックされないまま野放しで飛び回り大混乱を来した。 

 

今年113日の大統領選と議会、知事選に近づいた今、前回の失敗を繰り返さないために、予防策としてツイッター社がフェイスブックと同様、大統領選に関わる情報掲載を制限する新たなルールを今週から実行すると109日に公表した。 

 

具体的には政治家による嘘の投稿に警告のメッセージを付し、一方的な勝利宣言を制限し、投票所での暴力や妨害を扇動する投稿をブロックする。

 

また、フォロワーがリツイートする場合、従来は自動的にリツイートでき、瞬時に拡散していったが、今週からはユーザーがリツイートボタンを押すと“Quote Tweet”という画面が出てきてリツイートしたいメッセージの上に自分のコメントを記すことが求められるようになる。

 

自分の考えを述べるひと手間を加えさせたり、リコメンドやトレンドの機能についても抑制されたりすることで拡散のスピードを抑制することを意図している。

 

この制限に対し、トランプ大統領の選対本部のスポークスウーマンのサマンサ・ザガー女史は「ツイッター社は有権者や選挙ですでに選ばれた公職者を黙らせ、選挙に介入しようとしていることは明らかであり、これは我々の民主主義にとって極端に危険な行為である」と非難している。 

 

バイデン陣営はコメントを出していないが、民主党や市民権活動家及び独立系のリサーチャーは総じて今回のソーシャルメディア企業による予防策を歓迎している。 特に人権保護団体は、ソーシャルメディア大手に対し有権者を投票所に向かわせないようにする投稿に目を光らせ、徹底的に警戒すべきと語る。今回の規制の対象となるのはフォロワーの数が10万を超える政治家であり、87百万人がフォローするトランプ大統領は当然対象となる。

 

このツイッター社の規制強化以前からトランプ大統領のツイートに関しては最近だけでも14件のツイートについては「郵送投票が不正を助長するとの誤った主張」としてリツイートを含め制限をかけている。 

 

この規制は大統領選挙の勝利者が正式に宣言されるまで続けられるという。  

オンラインショップのコンサルのOBERLOの統計では、米国内のツイッターのユーザー数は3.3億、その内、毎日アクティブに使っているのが14,500万という。 

さらに年代構成では35歳から65歳で63%、男性が66%、女性が34%となっている。 

私がワシントンDCに駐在していた2009年にツイッターがスタートしたのは良く覚えてますが、当時の情報発信はブログ中心で、わずか140字で情報発信するニーズがあるのかと感じた次第です。 

 

先見の明のある創業者もツイッターがここまで大統領に政治利用されると思ってたのでしょうか?

 

2. トランプ大統領の家族以外の濃厚接触者から見えてくる大統領の真の側近

 

ワシントンポストが、大統領の真の側近として、さらには前回同様形勢不利な選挙戦を逆転するお守りとして大統領の信任の厚い女性補佐官を特集した。大統領が常に身近に置くこのホープ・ヒックスという女性もまた大統領と前後してコロナに感染している。 家族以外の人物で彼女ほど大統領に日々接して重要なことから取るに足らないことまで大統領と会話している人物はいないという。彼女がトランプ大統領の信任を得ている理由は彼女自身に野心や目的はなく、常に大統領に尽くすことに集中していて自分が目立つことを嫌うため。 

 

ところが、彼女がコロナに感染し、そして大統領が感染したことからメディアはホワイトハウスの感染経路の検証の点でヒックスにスポットライトを当て、加えて彼女に対する大統領の依存の様子を伝えている。ホープ・ヒックスはサウスメソディスト大学在学中にトランプ大統領の長女のイヴァンカのアパレル会社に2年間モデルとして入社、そこからトランプ家と縁を深めていった。 

 

彼女の父親が全米フットボールリーグの広報の元トップを務め、祖父はテキサコの渉外担当役員ということでもともと広報に長けた血筋といえる。 

 

2015年、26歳のヒックスは、誰もが泡まつ候補と見ていたトランプの大統領選挙本部に招かれ、以来献身的にトランプの身近で選挙活動を陰に日向に支えた。 

その結果、2017年、ホワイトハウスで史上最年少の広報担当部長となっている。 

彼女の大統領に対する献身的で揺るぎのない忠誠心が大統領の信任を得ている根源ではあるが、それ以上にヒックスには特殊能力があるという。それはトランプ語ともいえる世界で彼しか話さない意味の言語を彼女だけは理解できるという能力である。 

 

従い、ホワイトハウスにあっては大統領の意向を閣僚や補佐官などに正確に伝えると共に、彼の考えと反するが彼の耳に入れなければならない意見を、大統領の癇癪を起すことなく伝えることができるその貴重な通訳者としての彼女は2018年のトランプ大統領のロシア疑惑での議会下院での虚偽証言問題や、かつ彼女が交際していたポーター元大統領補佐官の2人の前婦虐待スキャンダルによりホワイトハウスを去ることとなった。 

 

その後、大統領の口利きもあってフォックスニュースに高額の報酬で勤務していたが、大統領の再選キャンペーンに向けてなくてはならない大統領の“通訳”として今年3月にクシュナー&イヴァンカ夫妻によりホワイトハウスに呼び戻されている前回よりも大きなオフィスと高い地位(counselor to the president)で大統領と選対本部の間のコミュニケーションを司っていた彼女がエアフォースワンの機中に居た923日の晩に体調不良を感じ、自発的に機内で隔離したが、翌日ホワイトハウスに出勤、そこでPCR検査を行い陽性が判明した。 すぐに自宅に戻って隔離体制をとると共に、大統領と首席補佐官など少数の関係者には陽性の事実を伝えた。 

 

ところが彼女が陽性であったことはそれ以外のホワイトハウス内の人々には伝えられず、彼らがその事実を知ったのはブルーンバーグのレポートからであった。  

 

トランプ大統領はヒックスのコロナ感染を知った924日の朝から通常の活動を行い、マスクをつけずニュージャージーのベッドミンスターの彼のクラブに行って選挙資金提供者へのあいさつを行い、その晩に初めて慌ただしく感染検査を受け、陽性が判明している大統領の感染経路を知るためのメディアからの質問に答えられる人間はホワイトハウスには誰もおらず、そもそもホワイトハウス内でマスクを着用している人間はおらず、従い、ヒックスが大統領に感染させたのか、或いはその逆なのかもわからない状況であった。 

 

ただ、彼女の感染が報道された後にインタビューを受けた大統領は、既に彼女から報告を受けていたにもかかわらず、初めて知ったように振る舞い、「彼女はフレンドリーで軍や警察などの幹部とのハグでもらってきたのでは」などと語っていた。  

 

その後広がったホワイトハウスの感染源のように見られたヒックスであったが、実際は彼女の感染発覚以前に行われていたホワイトハウスのローズガーデンでの大統領によるエイミー・バレット判事の最高裁判事指名イベントへの出席者から次々と感染者が出ている事実が判明した。 

 

ホープ・ヒックスがこのイベントに参加していないことから、彼女がホワイトハウスのクラスターの源ではない可能性が高いホワイトハウスのコロナに対する危機感の低さ、コロナ対応管理能力の弱さと共に、トランプ再選キャンペーンが彼女の存在にかなり依存している事実を露呈している。

 

3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の最新レポートを弊社にてダイジェスト版化

 

(1)  中国

l  台湾来年のGDP3.92%

台湾政府・主計総署は、来年の台湾の経済成長率は3.92%になると予測している。

しかし、米国のトランプ大統領の新型コロナウイルス感染の診断は「10月のサプライズ」にもなっており、米国大統領選挙は更に多くの変数を与える可能性もあると見られている。

そして、中華経済研究所の王副院長は、今後、更に不確実性が高まる可能性もあると指摘している。

台湾経済は、来年、台湾海峡を巡る地政学的混乱、米国大統領選挙後の米中情報覇権争いを巡る技術戦争、新型コロナウイルス第二波の輸出に与える影響と言う3つの大きなリスクに直面するであろうとも見られている。

国際金融情勢の堅調さを背景とした景気回復期待がある中、上記3点は留意しなければならないと台湾では見られている。

 

l  台湾海峡で活動を活発化する中国軍

台湾の中央通信によると、台湾の厳徳発国防部長、立法院の委員会報告で、今年、台湾南西部の防空識別圏に入った中国軍機数が延べ217機に上るとコメントした。

防空識別圏への進入が常態化しつつある。

 

l  中国「中国釣魚島デジタル博物館」開設

中国・国家海洋局直属の「国家海洋情報センター」は、インターネット上に沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張するサイトとなる「中国釣魚島デジタル博物館」を開設した。

現在は中国語のみであるが、今後は、日本語や英仏語などで中国政府の主張を伝えるとしており、領有権を巡る国際的な宣伝活動を強化する狙いがあるものと見られている。

「嘘も100回言えば本当になる」を実践するかのように、国際社会に自らの正当性を何度何度も訴えていくことが巧みな中国本土の戦略とも見られる。

 

(2) イスラエル情勢について

スマートフォンハッキングシステムを世界中の調査当局などに販売しているイスラエルの会社は、香港と中国の顧客へのソリューションとサービスの販売を停止したと発表している。

この会社は、イスラエルのデジタルインテリジェンス企業であり、組織がデジタルデータへのアクセス、分析、管理を改善するためのツールを提供している、Cellebriteという会社であり、同社は、米国の規制の変更によって、こうした方針を決定したと説明している。

また、コンプライアンス・ポリシーを定期的に確認、点検及び更新して、承認された国際的な規則および規制に従って、今後は柔軟に対応していくともコメントしている。

 

(3) 韓国/北朝鮮

l  三星電子、インドスマホ市場で首位奪還

韓国トップ企業である三星電子がインドのスマートフォン市場で中国企業に明け渡していた首位の座を3年ぶりに奪還していると韓国紙は報じている。

即ち、これまで中国本土の低価格スマートフォンによる攻勢に押されて苦戦していたが、最近になり、中国本土とインドの間で起きたカシミール地域で発生した国境紛争が追い風になったと見られている。

市場調査会社のカウンター・ポイント・リサーチによると、三星電子は今年8月、インドのスマートフォン市場でシェア26%を記録し、首位となっている。

これに対して、中国企業である小米(シャオミ)のシェアは24%に留まった。

三星電子は2017年9月にこの小米に首位の座を明け渡したが、それから3年後の今年6月に小米を抜き、3カ月連続で首位の座を守っている。

 

l  20代の強いマイホーム志向

韓国国内の調査によると、20代の10人のうち9人以上が、「マイホームが必要である」

と考えており、彼らがイメージする最初のマイホーム取得の年齢は平均36.8歳程度であると報告されている

 

[主要経済指標]

1     対米ドル為替相場

韓国:1米ドル/1,144.50(前週対比+19.15)

台湾:1米ドル/28.59ニュー台湾ドル(前週対比+0.32)

日本:1米ドル/105.84円(前週対比-0.76)

中国本土:1米ドル/6.7034人民元(前週対比+0.0864)

 

2.  株式動向

韓国(ソウル総合指数):2,391.96(前週対比+64.07)

台湾(台北加権指数):12,887.19(前週対比+371.58)

日本(日経平均指数):23,619.69(前週対比+589.79)

中国本土(上海B):3,272.076(前週対比+54.024)

 

4. 「寺島実郎の世界を知る力」1018日(日)スタート

 

㈱寺島文庫・GIN総合研究所事業企画部長の林 遼太郎主任研究員から掲題の寺島実郎氏による新しいテレビ番組のご案内を得ましたので下記のとおり共有申し上げます。

 

「今年419日に、緊急事態宣言の最中にTOKYO MXテレビ緊急特別番組「寺島実郎の日本再生論」第1弾を放送いたしました。放送直後よりエムキャスやYouTubeから海外ロックダウン中に在住する多くの日本人の方々にご覧頂き、多くの反響を頂きました。

 

さらに、5月から9月にかけて第2弾~第5弾を放送いたしました。

 

そして、この度毎月第3日曜日の午前11時より「寺島実郎の世界を知る力」が1018日(日)よりスタートいたします。年間テーマは「全体知への接近」です。是非、ネットワークの皆様には引き続き、寺島を軸とした本番組に並走して頂けましたらと存じます。

番組情報と共に番組サポーターご案内も添付いたしましたので、皆様のお知り合いの方々と情報共有頂けましたら幸いです。

 

何卒よろしくお願い申し上げます」

 

5.抗菌マスクホルダー『Masket(マスケット)』ご紹介のこと

 

弊社取引先の株式会社日照堂(本社:埼玉県川口市)が外食中などでのマスクの一時的保管用のマスクホルダーをリリースしました。

 

抗菌加工のISOSIAA」を入手済みで、飲食店や歯科業界、宿泊施設などで置かれつつあるそうです。

 

見た目はティッシュペーパーの箱のようですが(写真は下記リンクをご覧ください)、ひと箱1千枚入りから、それ以上のサイズも柔軟に対応可能です。

 

http://nisshodo.co.jp/4142 

 

また、オリジナルデザインやコーポレートカラーなどのアレンジも可能だそうです。

ご興味ある方は仰っていただければ割引でのご紹介も可能です。