1. 真珠湾攻撃を記録している米海軍工廠のログブック一般公開中
終戦80周年を迎えた今年、1941年12月7日の日本によるハワイ真珠湾攻撃の記録を記した米海軍真珠湾工廠の日誌が民間の持ち主から回収され、一般公開されているとの記事がワシントンポストに掲載された。
それは真珠湾海軍工廠の航海日誌であり、アメリカを第二次世界大戦へ向かわせた真珠湾攻撃の前後16か月を記録していた。
米国国立公文書館は、水曜日に、その日誌を今年初めに民間人から回収したと発表した。
この日誌は1941年から42年にかけて数か月間の日々の天候、潮汐、その他の状況を記録したものでした。艦船の入港や出港も記されていた。
各ページの上部には「ログブック 米国海軍工廠パールハーバー」と記されている。
このログブックの282ページと283ページに1941年12月6日と7日の日誌あり、そのページの“備考”の蘭にペンで「0755 日本の航空機と潜水艦がパールハーバーと、その他軍事並びに海軍標的を攻撃し・・」と記載されている。
この日誌には、12月7日の攻撃に加え、あまり知られていない1942年3月4日の真珠湾への第二次攻撃についても記録されていた。
これは2機の大型日本水上機によるものであった。
「午前0時45分 約50マイル離れた地点で未確認機の報告を受信。午前0時50分 コンディション・ワンを発令。午後5時5分 銃声3発と飛翔する弾丸の音を確認。午後5時10分 爆弾の破片2つが[米艦]オートラン号の艦尾付近に命中したとの報告を受信…」
しかし、その夜は日本側飛行士にとって視界が悪く、攻撃による米軍側の被害はほとんどなかった。
1941年12月5日の記録には、戦艦アリゾナ(USS Arizona)と戦艦オクラホマ(USS Oklahoma)が真珠湾に入港したことが記されている。
両艦はその2日後の攻撃で撃沈された。
1941年12月6日の記録には、修理のために工廠に停泊していた戦艦ペンシルベニア(USS Pennsylvania)と駆逐艦3隻(カッシン(USS Cassin)、ダウンズ(USS Downes)及びショー(USS Shaw))の艦名が記されている。
翌日、これら4隻はいずれも損傷を受け、特に駆逐艦は3隻は深刻な被害を受けた。
12月8日、依然として損傷した艦船が港内で燃え続ける中、午前7時35分の記録には、損傷した戦艦ユタ(USS Utah)が「水路を漂流している模様、タグボートを派遣して岸壁に固定することを推奨」と記されている。
12月6日と7日のページには液体によると思われる茶色い染みが残っている。攻撃を受け手慌てふためいた将校がこぼしたコーヒーだった可能性が高いという。
このログブックはメリーランド州カレッジパークにある国立公文書館の施設にて公開されている。
この施設に訪問することに興味のある方はこちらのサイト情報が参考になりそうです。https://digiaka.nichimy.co.jp/blog/029
2.グリーンランドを見るアメリカ人の眼差し
今年6月14日に米国のユナイテッド航空がニューアーク空港からグリーンランドへの直行便を就航させている。
トランプ大統領によるグリーンランドの米国への併合発言で政治的関心が高まったことは事実だが、今夏の米国東海岸の熱波を避けるようにアメリカ人観光客がこの直行便に乗ってグリーンランドを観光しようとしている様子がワシントンポストで紹介されていた。
直行便ができる前に米国からグリーンランドを訪れるにはデンマークのコペンハーゲンかアイスランドのレイキャビック経由でかつ第二次世界大戦の際に米軍がグリーンランドに設けたカンゲルルススアーク基地かナルサルスアーク基地の軍用滑走路に着陸していた。
一方、昨年11月にグリーンランドが首都ヌークに国際空港を完成させたことで冒頭の直行便開設につながっている。
同様に欧州からもスカンジナビア航空やアイスランド航空そしてエアーグリーンランドがグリーンランドへの直行便を就航させている。
グリーンランドの観光シーズンは夏だけで、今年の場合はユナイテッド航空の運航は9月24日で終了する。
グリーンランド地元政府の観光局のVisit Greenlandによれば、昨年グリーンランドを訪れた海外からの旅行者数は14万9千人で、内5万4千人が空路で、残りは船旅で同地を訪れた。
今年は空路での旅行者数の増大が見込まれている。
グリーンランドの約80%は氷に覆われているため、グリーンランドには国全体をつなぐ道路網や鉄道網は存在しない。
車を運転できるのはそれぞれの地域内に限られ、町や地域同士を結ぶことはできない。
従い、グリーンランド内の移動手段は、飛行機やヘリコプターか或いは車の数を上回るほどの私有ボート、または西海岸沿いの十数か所の港に寄港する旅客フェリーに頼っている。
短距離の移動にはスノーモービルや犬ぞりがガレージから引っ張り出されるという。
お金と時間に余裕のある旅行者は十分な装備を用意してヌークからカンゲルルススアークに飛び、北極圏ツアーを行う。
余裕がそれほどない場合にはヌークに留まって避暑やホエールウォッチングを楽しむ。
かつては米軍にとっての欧州戦線の要衝の一つとして、その後は北極圏の航路と資源の権利を争う8か国・地域の1つとして、そして今年はトランプの併合発言でアメリカ人の関心を高めたグリーンランドだが、北極圏探索と避暑という平和的な関心がグリーンランドにとっても米国や世界の平和にとってもありがたいですね。
3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の最新レポートを弊社にてダイジェスト版化
(1) 中国・台湾
l 好調を維持するTSMC
台湾積体電路製造TSMCの株価は、好業績を背景として、最高値を更新しており、時価総額が31兆ニュー台湾ドルを超えたと報告されている。
外為市場では、ニュー台湾ドルの切り上げがニュー台湾ドルの売上高と粗利益に影響を与えるものの、TSMCは、適切な為替ヘッジを行っており、その影響は軽減されていると楽観視されている。
また、TSMCの取締役会は、為替差損回避を目的として、100億米ドルを超えない範囲で、同社の完全子会社であるTSMC Globalの増資を承認したと発表している。
l 台湾有事に関する中比のさや当て
フィリピンのマルコス大統領は、中国本土と台湾が交戦状態になれば、「フィリピンが巻き込まれるのは必至である」と発言し、中国本土の反発を受けたことについて、
「事実を言っただけで、フィリピンに反発するのは、的外れである」などと反論している。
マルコス大統領はインドを訪問中の8月6日、地元メディアに対して、「台湾が侵攻されるような事態になれば、フィリピンは地理的にも、多くのフィリピン人が台湾にいる点からも巻き込まれざるを得ない」などと指摘したが、これに対して、「台湾問題は内政問題」と見做す中国政府は、「中国の核心的利益に関わる問題で火遊びをしないよう求める」と反発していた。
(2) 韓国/北朝鮮
l 引き続き順調な韓国のICT輸出
韓国政府・科学技術情報通信部は、7月の情報通信技術(ICT)分野の輸出額が前年同月対比14.5%増の221億9,000万米ドルとなったと発表している。
米国の関税措置など不確実性が高まったが、駆け込み輸出な登勢もあり、7月としては過去最高を更新している。
輸入額は9.8%増の133億2,000万米ドルで、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は88億7,000万米ドルの黒字となっている。
品目別の輸出額は半導体が31.2%増、通信装備が4.6%増と増加した一方、ディスプレーは8.9%減、携帯電話は21.7%減、コンピューター・周辺機器は17.1%減となった。
半導体は半導体メモリーの固定取引価格の上昇や広帯域メモリー(HBM)など高付加価値製品の輸出好調が続き、4カ月連続で過去最高を更新している。
l 釜山を目指す外国人旅行客の増大
本年1~5月に韓国南部・釜山を訪問した外国人観光客が前年同期に比べ増加している。
釜山観光公社によると、1~5月に釜山を訪問した外国人客は約138万3,000人となっており、前年同期対比23.7%増となった。
今年は4月に、外国人客数の統計を取り始めて以来最速のペースで100万人を突破してもいる。
同期間の訪韓外国人客に占める釜山訪問外国人客の割合は19.2%となった。
新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(15.4%)より高く、昨年(17.9%)より上昇している。
昨年の釜山訪問外国人客数は292万人、釜山市は、2016年を上回る外国人客300万人誘致を目標に掲げている。
[主要経済指標]
1. 対米ドル為替相場
韓国:1米ドル/1,385.86(前週対比+3.72)
台湾:1米ドル/29.99ニュー台湾ドル(前週対比-0.13)
日本:1米ドル/ 146.54(前週対比+1.16)
中国本土:1米ドル/7.1722人民元(前週対比+0.0110)
2. 株式動向
韓国(ソウル総合指数):3,225.66(前週対比+15.65)
台湾(台北加権指数):24,238.10(前週対比+216.84)
日本(日経平均指数):42,649.26(前週対比+828.78)
中国本土(上海B):3,666.443(前週対比+31.315)