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#15 社員とのウィンーウィンの関係づくり(リンクトイン創業者リード・ホフマン著『ALLIANCE』(ダイアモンド社)より

 

前回、社員と会社のベクトルの揃え方に関し、上司と部下との間のコミュニケーションのあり方についてのホフマン氏のアドバイスを紹介し、アイスブレークを含めた具体的な方法をシリコンバレーの企業の例で示したりしました。

今回から、変革型コミットメント期間を導入するための4つの具体的なステップを紹介します。 最初のステップは「コミットメント期間の目標設定」です。

会社が社員と一緒に定めるコミットメント期間には、明快で詳細、そして確固たるコミットメント目標がなければならない、とホフマン氏は語ります。

具体的なプロジェクトの立ち上げ、社内プロジェクト、組織変革などが考えられます。

会社の役に立ちながらも、同時にその社員の成長を助けるようなコミットメント目標を選ぶことが大切になります。

コミットメント期間の「正しい」設計は、それぞれの社員が何を必要としているのかにもよるでしょう。 様々な経験をすることに価値を見出している社員なら、内容が多岐にわたる短期のコミットメント期間を数多く経験したいかもしれないですね。安定性をより重視している社員なら、期間が長めで継続性のあるコミットメント期間を少数こなし、いずれ基盤型コミットメント期間に移行することを希望するかもしれません。

コミットメント目標の成功は、質か量のいずれかの面で会社に成果をもたらすことになります。

コミットメント期間が成功すれば、当然ですが会社だけでなく、社員自身にも大きな変化をもたらします。たとえば、新しい知識とスキルを身に着けたり、技術や特定分野、マネジメントの経験を得てキャリアを向上させたり、あるいは際立った実績を残すことで、社内外で個人ブランドを構築する、といったことかもしれません。

次のステップは、上司と社員の双方が定期的にフィードバックし合う仕組みを作ることになります。

従来型の年次ベースの業績評価ではなく、コミットメント期間が会社と社員の双方から見て目標に向かって進んでいるか、定期的に評価する「チェックポイント」の仕組みをつくることをホフマン氏は提言します。このチェックポイントは一定期間(たとえば四半期)ごとでも良いし、各コミットメント期間のプロジェクト計画の節目ごとに行ってもいいと氏は語ります。 いずれにせよ、チェックポイントの目的は、両サイドが望む結果に向けて進捗度合いを一緒に評価する、オープンな話し合いの場を設けることであると語ります。

 

つづく