ニュースレター国内版 2021年・冬(257号)

日賑グローバル・ニュースレター国内版(第258号)

 

1. 就任後1か月のバイデン大統領と大統領令

2. 国内テロ対応にシフトする米国土安全保障省

3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の最新レポートを弊社にてダイジェスト版化 

4. 寺島実郎氏メディア出演情報 
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1.就任後1か月のバイデン大統領と大統領令

 

就任後1か月を迎えたバイデン大統領は、約50以上もの大統領令を発令している。 

ワシントンポストの見方では、その大統領令は大まかに4つの分野に分けて出されている。 

 

1つ目は学生ローンの返済猶予の延長や、難民の追放の禁止といった早急に対応しないと人々に困難が生じるもの。 

2つ目は、パリ協定復帰や、イスラム諸国からの米国訪問を禁じる制限を取り払うといった、就任初日に行うと公約していたもの。 

3つ目は、連邦調達においてバイアメリカンを求めるものや、トランプ前大統領による1776委員会の撤廃、連邦政府内の人種差別的問題を根こそぎ改善するといった連邦政府内の改善。 

 

そして4つ目は海外での中絶を行うNPOへの支援を禁じる前大統領令を覆す大統領令、といった党派に基づき180度極端に政策変更するものなどである。また、トランプ政権の下でなされた国境沿いの不法移民制止政策に伴う移民希望者の家族の親と子の強制分散の問題を解決すべくタスクフォースを組む大統領令も出している。 

 

バイデンはこの家族強制離散政策を「アメリカの道徳と国家の恥」と呼んでいる。バイデン大統領自身、アメリカの大統領がこの大統領権限を乱用することの危険性を過去に取り上げ、大統領となった暁にはこの一方的なアクションを制限すると語っていた。「進歩派の人々が期待している大統領権限の行使のやり方は憲法の定めるものを超えるものであり、私は憲法違反は行わない」と語っている。 

 

一方、バイデン政権が公約に掲げる新しい公的ヘルスケアのオプションや、インフラの整備、移民制度の改良、そして気候変動対応などの大物の政策の実現には新たな法整備を必要とし、分裂している議会での超党派の合意形成が求められている。バイデン大統領としては、当面は、コロナ対応と経済対策中心に号令をかけつつも、就任後100日と言われる世論やメディアとの蜜月期間中に、超党派の働きかけを通じてエポックメーキングな法律の議会通過を果たしたいであろう。 

 

また、主要国を招いての気候変動サミットや、民主主語国家の首脳を招いての自由民主主義サミットの開催の実現も注目される。一方、相対する共和党幹部は、弾劾裁判で無罪となったトランプ前大統領が政治的なメッセージを出して求心力を高めることになれば、来年の中間選挙をにらんで、自らを伝統的な共和党ではなく、「トランプの党」とする意向を固め、それが世論の分断と党派対立復活させ、バイデンによる超党派の働きかけを一層困難にするという事態も考えられよう。

 

2.国内テロ対応にシフトする米国土安全保障省

 

米国国土安全保障省は2001911日の同時多発テロをきっかけとして、その再発を未然に防ぐために設けられた組織である。 

 

一方で、同省は、かねてよりもっと国内の過激派の脅威に備えるべきとのプレッシャーを受けていた。

そして、20198月にテキサス州エルパソのウォルマートで起こったヒスパニック系に対する銃乱射の事件が起こってから7週間後、同省は国内のテロや特定の標的を狙った暴力に備えるロードマップを発表、海外からのテロの対策から国内の脅威に重心を移しつつあった。ロードマップには国内の脅威として、暴力的な過激派と白人至上主義者等が特定されている。但し、その時点でトランプ大統領のいたホワイトハウスは国内過激派問題に何ら関心を示していなかった。

 

ところが、先月の連邦議会乱入者にテロ計画者がいたことを受けて、同省が国内脅威にもっと目を向けるべきとの声が再度国内で沸き起こっている様子をワシントンポストが報じている。国土安全保障省の守備範囲は、元々は国境、港湾、輸送機関及びサイバー空間の安全確保であり、国内過激派グループやテロ捜査はFBIに任されていたただ、同省はFBI8倍ものスタッフを抱えていることから、増大する国内の脅威にその資源を振り向けるべきとの声が出てきている。 

 

一方、国土安全保障省の取り締まりが強化されることで、外国人に対する制限はともかく、アメリカ市民の自由に対する制限などが生じることへの懸念も生まれている。バイデン大統領が就任してから一週間後に同省は、省内のNational Terrorism Advisory Systemを国内の脅威向けに初めて使用した。即ち、国内の過激派団体による攻撃の可能性を国民に通報する目的で使用している。曰く、「政府の権限執行や大統領移行に反対するといった暴力的な過激派団体や、架空の物語に乗って不満を強めている団体が、引き続き暴力行為を扇動し、或いは自ら行う可能性がある」と警告している。国土安全保障省の取り締まりの根拠となる法整備の動きも出ている。 

 

特に、議事堂乱入事件を、「暴力で政治を変える」やり方にとっての「勝利」ととらえているような過激派グループや白人至上主義者等に対し、これを「テロリスト」と位置付け、海外のテロリストと同等の厳罰に処すという法案である。また、そういった過激団体を支援する組織の罪も問い、SNS等を提供するテクノロジーカンパニーも過激な内容のコンテンツの掲載に対する責任を問う内容となる模様。同省の国内脅威の情報源は今のところFBIや民間の契約事業者、そして州や市の警察であり、独自の調査能力は持っていない。省独自の戦闘能力としては、国境防衛・麻薬取締組織のそれが中心となる。

 

一方、国内のどういった組織を取り締まるかという方針が党派対立を反映するところもあり、今回の白人至上主義者警戒もトランプ政権への意趣返しと見られやすい。少なくとも共和党は、バイデン政権が白人至上主義者を脅威と見る根拠を政治的な判断と捉えている。 

 

一方で、昨年のブラックライブズマターのデモが全米で行われていた際には、国土安全保障省はトランプの言う「法と秩序」の側に立っているとリベラルサイドからの批判が出ていた。

但し、昨年10月の同省公表の報告では、2018年と2019年の殺人において白人至上主義者によるものが最も多かった。 

 

また、同報告書では、コロナ禍で国内テロは起こしやすくなっているとも指摘している。

いずれにせよ、全米に不満分子が増大しており、何らかのきっかけでそれらが安易に過激派団体に加入するという状況にある。「不満」の段階から「思想」の段階へ、そしてそれが「過激化」し、それを「暴力」で実現しようとし、「計画」し、「実行」するまでに至るサイクルが短縮されているという。「計画」が判明してからが国土安全保障省の法執行の管轄となるが、その前の「過激化」までをどう抑えるかが今のアメリカの大きな課題と言える。

 

3. 東アジア情勢 -愛知淑徳大学ビジネス学部真田幸光教授の最新レポートを弊社にてダイジェスト版化

 

(1)  中国

l  中国の圧力で台湾への代表機関設置協定を破棄したガイアナ

台湾と代表機関の設置に関する協定を締結した南米の国、ガイアナが、中国本土の圧力を受けて当該協定を破棄したと見られていることを受け、台湾の蔡英文総統は、自身のフェイスブックを更新して、「深い遺憾」とコメントした上で、中国本土への抗議と譴責を表明している。

 

l  香港情勢

香港公共ラジオによると、香港の終審法院は2月9日、中国政府への批判的な報道で知られる香港紙・アップル・デイリーの創業者の黎智英氏(現在、国家安全維持法違反などの罪で公判中である。)について、保釈を認めた高等法院の決定を取り消す判断を下した。司法当局が高等法院の決定に不服を申し立てていたことに対する結果である。

 

(2) 韓国/北朝鮮

l  世界5位に返り咲いた韓国の自動車生産

韓国自動車産業協会(KAMA)が発表した、「2020年10大自動車生産現況調査」によると、韓国の2020年の自動車生産台数は前年対比11.2%減の350万6,848台で世界5位となっている。台数そのものは減少したものの、ランクは2019年の7位から2ランク上昇し、5年ぶりに5位に返り咲いた。昨年は新型コロナウイルス流行の影響で世界の自動車生産が15.5%減少する中、韓国は他の国に比べて相対的に減少幅が小さかったことがランクアップの背景となる。また、世界の生産台数に占める韓国の割合は4.5%で0.2ポイント上昇した。

 

l  世界第5位となる韓国の軍事力

世界各国の軍事力レベルを分析し、発表している組織である「グローバル・ファイヤーパワー(Global FirepowerGFP)」の報告書によると、韓国は軍事力評価指数0.1612で、前年と同じく世界138カ国・地域のうち6位となっている。グローバル・ファイヤーパワーは人口や兵力、兵器、国防予算、地理など50項目以上を活用し、国家のパワー・インデックス点数を算定することを定期的に行っている組織である。当該調査では、米国が一位、続いて、ロシア、中国本土、インド、日本となっており、それに次ぐ6位に韓国は入っているようであるが、韓国国内のコメントを読んでいると日本の下の順位については不満のようであり、今後は更に防衛力強化を進めていく可能性もあろう。

 

[主要経済指標]

1.    為替市場動向

韓国:1米ドル/1,102.59(前週対比+19.42)

台湾:1米ドル/28.02ニュー台湾ドル(前週対比-0.04)

日本:1米ドル/104.93円(前週対比+0.41)

中国本土:1米ドル/6.4542人民元(前週対比+0.0161)

 

2.       株式動向

韓国(ソウル総合指数):3,100.58(前週対比-20.05)

台湾(台北加権指数):15,802.40(前週対比+-0.00)

日本(日経平均指数):29,520.07(前週対比+740.88)

中国本土(上海B):3,655.088(前週対比+158.755)

 

4.寺島実郎氏メディア出演情報

 

一般社団法人寺島文庫寺島文庫番組サポーター塾事務局の林 遼太郎さんから寺島実郎氏のメディア出演情報を下記の通り頂戴しましたので皆様と共有させていただきます。

 

TOKYO MX新番組「寺島実郎の世界を知る力 全体知への接近」

第5回目放送:221日(日)午前11時~

番組前半では、「世界及び日本の経済が抱えるパラドックス」として、寺島が注目する経済指標を取りあげ、解析します。

 

また、今回は時代を考えるヒントとして、「漫画の社会学」と題し、昭和の『赤胴鈴之助』『鉄腕アトム』・平成の『千と千尋の神隠し』・令和の『鬼滅の刃』を、それぞれの時代を象徴する漫画・劇画として取りあげ、それぞれの作品が発信している価値と時代環境との関係性について、寺島独自の分析で踏み込みます(添付東京新聞記事ご参照)。

 

後半では、「大中華圏」という視界の重要性と台湾の400年間の歴史に触れ、前回に続き、中国を立体的に、ネットワーク型で捉えることを試みます。

 

ぜひご視聴頂けましたらと存じます。

 

さらに、これまでの第1回~第4回までの放送につきまして、おかげさまでYoutubeでの再生回数が合計34万回以上となり、日本国内にとどまらず海外在住の方にもご視聴頂き、大変多くの反響を頂いております。

 

ぜひ皆様のネットワークご関係者へ、引き続きお知らせ頂ければ幸いに存じます。

 

《メディア出演情報(一覧)》

2021/2/26(金) 06:45頃~

NHKラジオ第一「三宅民夫のマイあさ!」

※うち、「マイBiz・経済展望」コーナー

 

2021/2/28(日)08:00

TBS系列「サンデーモーニング」

 

2021/3/7(日)08:00

TBS系列「サンデーモーニング」

 

2021/3/11(木)21:0022:00

ラジオ日本「東日本大震災から10年・被災地の今とこれから」

 

 

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TOKYO MX テレビ】 

[202010月~放送]

『寺島実郎の世界を知る力』

 

第1回放送

エムキャス:https://mcas.jp/movie.html?id=749856148&genre=453017953

Youtubehttps://www.youtube.com/watch?v=emQLViKOvTw

 

第2回放送

エムキャス:https://mcas.jp/movie.html?id=749856148&genre=453017953

Youtubehttps://www.youtube.com/watch?v=Cq0CoKSMZOQ

 

第3回放送

エムキャス:https://mcas.jp/movie.html?id=749856148&genre=453017953

Youtubehttps://www.youtube.com/watch?v=djea6T_RYi0&t=897s

 

第4回放送

エムキャス:https://mcas.jp/movie.html?id=749856148&genre=453017953

Youtubehttps://www.youtube.com/watch?v=NHfjmdu8Mfs&t=1280s

 

「東京新聞」に記事はこちらへ。

 

[20204月~9月放送]

特別番組『寺島実郎の日本再生論』(第1弾~第5弾)

 

第1弾(4/19 OA)「時代認識とポスト・コロナへの針路」

第2弾(5/10 OA)「ポスト・コロナへの視界」

第3弾(5/16 OA)「世界の中の日本 コロナを超えて」

第4弾(7/19 OA)「コロナ問題の中間総括」

第5弾(9/26 OA)「コロナを超える世界観」

 

見逃し配信につきましては、寺島文庫ウェブサイトにアクセス下さい。

https://www.terashima-bunko.com/minerva/tokyomx-2020.html

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◆◇AOKIグループ・快活CLUB様と寺島文庫が提携◇◆

『学びの再出発』

~寺島文庫のオリジナル動画が全国約500店舗でご視聴いただけます~

【月1回更新】

 

今月19日(金)に配信開始予定の、寺島が語る「なぜ今『学びの出発』が必要なのか」では、「漫画と劇画の社会学」をテーマに、昭和・平成・令和それぞれの時代を代表する漫画と劇画について、各時代の社会的背景や人々の心理について分かりやすく語ります。

 

また、今月の本棚では、11月に続き、評論家・佐高信先生との特別対談にて、戦後民主主義についての議論を展開いたします。

 

ぜひ快活クラブの店舗にてご視聴頂けましたらと存じます。

 

 

・詳細はこちら

https://www.terashima-bunko.com/minerva/kaikatsu-manabi.html

 

★現在、10月~1月分を配信中です。2月分は19日(金)に配信開始予定です。 

 

・お近くの店舗の検索はこちら

https://www.kaikatsu.jp/shop

 

以上、お伝え申し上げます。

 

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一般社団法人寺島文庫

寺島文庫番組サポーター塾事務局

林 遼太郎

 

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(寺島文庫HP)http://www.terashima-bunko.com

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