「変化を導く6つの鍵」:Voltage Controlからのインサイト
読者の皆さまへ
日賑グローバルのブレットです。今回の第2回コラムでは、『ファシリテーション重視の協働的リーダーシップ』を推進する米国のパートナーのVoltage Controlが発行した『Change Guide』から、印象的だったポイントを6点、皆さまと共有したいと思います。
今日の職場は、リモートワーク等働き方の変化、デジタル化、職場の多様性の拡大など、様々な変化に晒されています。
こうした変化に対する協働的リーダーの心構えとして、上述の『Change Guide』では以下の6つの心構えを推奨しています。
1. 常に目的を考える(Change on Purpose)
変化の出発点は「なぜやるのか?」という問いです。リモートワークもデジタル化も多様性推進も、変化のための様々なイニシアチブには明確な目的があり、外部環境の変化もその背景には目的を持った動きがあるはずです。協働的リーダーはそういった目的をメンバー全員と共有し、腹落ちさせておくことが大切です。
2. 変化を「人間の心」でとらえる(Humanize the Change)
様々な変化に対し、メンバーは頭で理解しつつも、「不安」「喜び」「好奇心」「緊張」などいろいろな感情で受け止めることになります。協働的リーダーは、1on1はもとより、「心」を重視した共感の広がりやすい会議の運営を通じ、これらの変化はハートでとらえることでチーム一丸となる雰囲気をつくりたいですね。
3. 共に創る(Co-Create the Change)
協働的リーダーは、変化を「指示」としてメンバーに受け入れさせるのではなく以下のような工夫を通じて「共創」していきます。
- 多様なメンバーを変化の導入の初期段階から巻き込む
- 誰もが平等で、包括的な言葉遣いを意識する
- Liberating Structuresなどのアクティビティ(グループワーク)のツールで遊びと実験を取り入れる
- 小さく試しながら徐々に制度化する
こうすることで、「変化」に対するメンバーのエンゲージメントやコミットメントも高めていけると考えます。
4. 変化を学びに変える(Learn to Change)
変化とは、学びのプロセスそのものです。
「変化」を取り入れた会議などの最後に5分間「今日の良かった点・難しかった点」を共有する振り返りの時間を設けます。この小さな習慣が、会議そのものの質を少しずつ高めていくことになります。
5. 結果を受け入れる(Embrace Emergent Change)
期待どおりに進まないことも、「変化」を取り入れる場合にはつきものです。
それを「失敗」と捉えるのではなく、次のチャレンジへの「教訓」や「経験」としてメンバーを前向きに鼓舞し続けることが協働的リーダーの役割です。その際にメンバー一人一人の体験、気づきといったものを共有しチーム全体の気づきにしていくことが、「変化」をチームの成長につなげる近道となるのでしょう。
6. 変化を持続させる(Sustain Change)
メンバー全員が「変化」の意義やメリットに腹落ちすれば、主体的にその「変化」を行い続けるでしょう。一方で、それが長く続けばマンネリや習慣となり新たな「変化」を取り入れる際の障壁ともなりかねません。協働的リーダーは常にアンテナを高くして新たな「変化」の可能性を探るとともに、メンバー一人一人が現場で感じる「変化」を吸い上げ、チームとの関連性を皆で議論していくダイナミックな情報共有体制こそがより良き「変化の持続」につながるものと信じます。
今回ご紹介した内容や、ファシリテーションに関するご相談・ご質問がありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください!
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日賑グローバル株式会社
ファシリテーター
ヒューステッス・ブレット
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