情報発信力 その2

 

昨年1028日に取引先の社長と外国人特派員クラブで夕食を共にした際に、その社長から「ついさっきまでこの場所でピコ太郎が外国人特派員の共同記者会見を受けていた。 えらく大人数の外国人特派員が集まったそうで、当クラブの最高記録を更新したそうだ」との話を伺いました。 確かに普段静かな洋風レストランの空気が大人数の熱気の余韻を残していたことを覚えています。 その時点で私はピコ太郎のことは何も知りませんでしたし、外国人特派員が何に興味を持っているかも特に関心はなかったのですが、その社長から「これまでのこのクラブでの外国人特派員参加数の最高記録は小泉首相の共同インタビューの際のものだったが、今日はその数を遥かに超えたそうだ」と聞いて、「なんだそりゃ、日本人の自分が知らないへんてこな名前の人物になんで海外メディアの駐在員が大挙して押し寄せるんだ」と思い、自宅に戻ってネットで調べた次第です。その結果はみなさんご承知の通りで、ピコ太郎というそれまではあまり売れていなかった芸人がユーチューブに自らのパフォーマンスをアップし、そのコンテンツがジャスティン・ビーバーの目に留まり、彼のツイートを通じて世界でブレークしつつあるということでした。 そして世界で有名になることが逆輸入の形で日本でブレークするというよくあるパターンに入ったということでした。

ユーチューブやツイッターのようなSNSがなかった時代に日本人アーティストが欧米でブレークしたケースは1960年代の坂本九の『上を向いて歩こう』(Sukiyaki)にまで遡ります。

ウィキペディアによればイギリスやフランスでブレークし、それがアメリカに飛び火し、ビルボード誌の週間ランキングで1位を獲得しました。

そこに至るまでの流れは日本でのデビュー、日本でのマーケティングとマスメディアを通じた国内浸透、それをたまたま知った欧米人によるラジオなどでの紹介、といったボトムアップのプロセスであり、欧米でのブレークまでに内外の関係者が費やした時間や費用は多大なものであったと想像できます。 一方、先日知人から聞いた話では、ピコ太郎が例のユーチューブにコンテンツを挙げるまでに要した費用は20万円台だったとか。

SNSのおかげで映像、画像、或いは音楽、そしてカタコトの英語(或いは日本語)だけでも今やお金をかけずに世界中に情報発信することができるんですね。

 

もちろん受け手の印象や考えをシミュレーションすることは「準備」として必要なのでしょうが、まず大切なのは「情報発信する」という意思、意図、目的意識なのであろうと思い、海外展開を目指す中小企業の経営者の方々と「情報発信」のテーマを話し合う今日この頃です。